テーマ: 新規事業、アライアンス
楽天株式会社は、TBS問題(05年末)以降資本提携関連の数は少なく
なっていが、07年フュージョン・コミュニケーションズの子会社化以降、
・楽天市場周辺事業
・広告関連事業(含む、メディア)
への資本取引が目についてきた。
08年8月に入ってから、金融関連で2件が発表された。
◆楽天、イーバン銀行との資本・業務提携、基本合意 (08.08.04)
・目的 :
- 「楽天市場」事業強化 (決済サービス強化)
- 相互顧客紹介
- 新金融サービス開発
・資本取引:
- 取引形態 : 資本業務提携(第3者割当増資引受)
- 取引内容 : 今後詳細検討
- 発行株式 : 優先株式
- 出資比率 : 想定30%程度 (筆頭株主予定)
- 出資金額 : 想定約200億円
・楽天株式会社プレスリリースより記載
◆楽天、アイリオ生命保険と資本業務提携(08.08.15)
・目的:
- 独自生命保険の開発
- 楽天会員への生命保険商品の販売
・資本取引:
- 形態: 第三者割当増資引受
- 種類: 普通株式
- 出資金額 : 約20億円
- 出資比率 : 14.9%
*本ラウンドにて、ジャフコ、NIF、みずほキャピタルも引受
・ アイリオ生命保険プレスリリースより記載。
同社は、06年1月東京都民銀行とネット銀行設立に向けた検討を行っていたが、現在は棚上げになっている、とのこと。
一方、イーバンク銀行は、サブプライム問題により234億円最終赤字を抱え、財務体質強化が
急務であった。
また生命保険に関しては、現在楽天市場内にて、生命保険は代理店として販売しているが、更に商品開発等の機能拡張を視野に入れると想定。(垂直統合)
そんな背景からの提携と想定される。
楽天株式会社の記者会見では、ネット銀行実現に向けたものではなく、あくまで「原点回帰」=楽天市場事業の強化、とされていたが、楽天会員4,630万人に対して、銀行も含めた多様な金融商品*を提供するスキームの実現を視野に入れている可能性はあると想定される。
(*TBS問題前までに、証券、信販と金融サービスを拡充させてきた)
証券、信託、銀行、保険と、楽天市場で培った顧客会員基盤を活用して、ネット上の決済、更にはそのお財布から他(リアル)の消費・支払でもお金が落ちる仕組みが実現されていくかもしれない。
JR東日本、セブンイレブン、、顧客基盤、「財布」を握る企業達は次々に、「金融」サービスを拡張させ、その顧客基盤の強みを活かし、新たな収益多角化を遂行している。
ネット会員を4,600万人以上抱える楽天が金融会社を有していくのは、当たり前の戦略といえるかもしれない。


