収益シミュレーション

収益シミュレーションとは?

事業計画を作る上で、最終的には結局いくら儲かるのか?ということを数値で示す必要があります。これを、収益シミュレーションと呼びます。

通常は、損益計算書(PL)に、累積のキャッシュ状況がわかるものを加えたものが作られます。業種や、見る側の興味次第では、いわゆる3表(PLにキャッシュフロー表(CF)、貸借対照表(BS)を加えたもの)まで作成する必要があるかもしれません。

注意したいのは、作りなれていない人ほど、詳細で膨大なスプレッドシートが出来上がった時点で満足してしまい、内容をきちんと吟味しない傾向があることです。

ありがちな問題点

そのせいなのか、収益シミュレーションでよく起こる問題点が、

  • 聞き手の意図を把握できてない。
  • S字カーブをコピーしただけ。
  • 楽観/悲観/ベースと複数のシナリオを書いてはいるが、結局、結論ありき。

などです。

目的未達成というのは、そもそも会社や意思決定者の意向を汲みきれていないものです。簡単に言えば、5年後の売上高が一桁足りないであるとか、利益率が悪すぎるとか、累損が許容範囲を超えているとか、そういうものを平気でプレゼンしてしまうことを指します。

S字カーブとは、市場予測などで使われることが多く、プロダクトライフサイクルとも呼ばれるものです。

S字カーブ(図)

S字カーブをそのまま使ってしまい、この事業が、どのように立ち上がるのか?についての根拠が希薄なものがあります。

最後の結論ありきのシナリオというのは、ベースケースに信頼を持たせるために、上と下に、楽観/悲観ケースを付け加えたものです。これも、楽観悲観の根拠が示されず、とりあえずシェアを3%、5%、10%として作ってみただけで、数値の根拠が示されません。

これらを防ぐために、幾つかの留意点があります。

  • 式、図、表をすべて、この順番で提示する。
  • 前提をきちんと示す。その根拠を示す。
  • KFSを把握し、それに基づいて、楽観/ベース/悲観シナリオを作る。

これらをきちんと行うことで、意味のある収益シミュレーションとなります。