モバイル検索の現状と今後
2008年後半の不景気で、広告ビジネス全体が伸び悩む中、ネット広告、特にモバイル広告はディスプレイで約40%、検索連動広告で100%成長している。
また、先日某検索エンジン事業会社の方と話す機会がありました。
その会話の中でも、
「モバイル検索のクエリー数は右肩上がり」
「PCだと季節トレンドがとれるが、モバイルは急進しており未だに季節性がわからない」
くらいの伸長スピードとおっしゃっていました。
とろこが、先日(少々古いですが)、
「PCとモバイルの検索に関する比較調査–10代でもPCほど積極的に利用しないモバイル検索」(CNET)
という記事が掲載されました。
*CNET:PCとモバイルの検索に関する比較調査–10代でもPCほど積極的に利用しないモバイル検索
本当に、「10代もモバイル検索を利用しないのか?」と疑念に思い、モバイル中心ユーザーに聞いていました。
弊社のモバイルリサーチ「モバリサーチ」を活用して、検索の利用動向を簡単に聞いてみました。
結論は、上述T記事とは反対の結果に。
やはり、10−20代の携帯中心ユーザー、携帯/PCをシーンに合わせて使いこなせるユーザー達にとっては、「モバイル検索」は利用されています。
「24時間365日30cmメディア」だからこその手軽さに気づいているユーザーは、モバイルで検索をしていますね。
CNETさんの記事を見ると、PCリサーチ用のユーザーに、モバイル検索の利用動向をアンケートしているので、前述のような「え?」と驚く結果になったのでしょう。
とはいえ、弊社パネルのアンケート結果を見ても、決して楽観できる話しではないな、と同時に改めて感じます。
検索結果に対する不満、検索操作に対する不満・・・
まだまだ課題は、ありますね。
モバイル検索の想定課題
検索結果への信頼感が低い
- 検索サイトページが少ない = 企業が、PCサイトを当たり前にもつと同様に、モバイルに対しても情報を提供する取り組みが遅れている
- 信頼できる結果がでてこない
という昔から言われている課題が、未だ根強いですね。
消費者と接点を持つ、小売、外食、消費財メーカー・は少なくとも、モバイルサイトの用意は、このクエリ数ののびに対して無視できない状況にきているのではないでしょうか。(同時に、モバイル検索ロジックが変動するので、中々上位に上がらないといった声もちらほら聞こえるので、検索サービス側にも課題はあるのでしょう。)
GUIの課題
- 小さい画面で、情報量、表示方法をいかに工夫するか
- 現状PCと同じ世界をモバイルに凝縮したUIで、操作しにくい
モバイルらしさ
ユーザー毎のシーン/コンテキストを踏まえた、検索サービス。携帯で検索したいと思うサービス、コンテンツ。
Googleのローカル検索はかなり熟れてきていると思います。
現在私はiPhoneを利用しているのですが、自分でも驚くくらい、電車等の移動時に検索をします。
なぜなら、答えがしっかりでてくるからです。(PC検索の安定性)
「移動する時は検索しない」のではなく、知的欲求はシーンに関係なく存在していて、その知的欲求に現状モバイル検索が十分答え切れていないから、使っていなかったと改めて思います。
いつでもそばにある端末で、情報を得られる便利さは、PCにはない利便性です。
上述の課題を解決するには一朝一夕にはいきませんが、最低限の「検索結果」の品質とモバイルらしさが実現されることで、さらにモバイルのクエリー数が拡大することは必至だと想定します。