新規事業TIPS vol.1) 新規事業の定義 〜 新規事業とイノベーションの違いを理解する

2015.05.20

はじめに:

このブログでは、会社において新規事業担当になられた方が、まずどうやって「新規事業の企画・検討を行い、社内の協力を得ながら新規事業を立ち上げていけばよいのか?」プロセス別に“新規事業のコツ“を書いていきます。
新たな事業を生みだすお手伝いができ、少しでも日本経済の活性化につながれば、本望なのですが。

世の中には、新規事業だけでなく、イノベーションや、新商品など、同様の言葉が多く存在しているなか、

“新規事業とは何か?”

まず、ここから考察していければと思います。

当方が考える新規事業とは、以下のようなものです。

“新しい経営資源を活用し、新しいやり方で、新しいニーズを産みだし、新たな事業(商売)として「実現」させること”

と捉えています。

まず、「新しい経営資源」と定義している意図は、「従来ビジネスモデルを変えずに、既存事業の経営資源だけを活用した新商品や、新サービスは、新規事業とは言いにくいのではないか」と考えています。

具体的には、飲料メーカーが新しいブランドの缶コーヒーを発売するといった類のものは、あくまでブランディング以外はほぼ既存事業のビジネスモデル並びに経営資源活用になる場合が多く、新商品ではありますが、既存事業の範疇であると考えています。

*プライマルブログ開設 「新規事業とは?」(過去ブログ記事)

*ビジネスモデルとは、企業が付加価値を生みだし、顧客にその価値を提供し、お金を稼ぐ仕組みのことです。例えば、小売モデル、広告モデル、メーカーモデル、プラットフォーム等の典型的なモデルが存在しています。

「新たな事業(商売)として「実現」させること」、と定義している理由は以下の新規事業立ち上げのプロセスから見て頂けると分かりやすいでしょう。

新規事業立ち上げのプロセスは、
新規事業基本ステップ
というステップをたどります。

ステップ1、2は、計画段階で、調査したり、考えたり、議論したりしながら、その新規事業企画の確実性を高める活動です。

ステップ3、4で、実際にサービスを具現化し、サービス開始。しかしサービス開始はゴールではなく、はじまりに過ぎません。少なくとも初期1年は実質検証期間と捉え、環境変化や想定外の事象に、柔軟に対応・改善していく心持ちで臨むことが重要になります。

既存事業のやり方=計画経済的なやり方を新規事業に当てはめてしまい、失敗するケースをよく目にしています。「決めたことだから」、「始めてしまったから」と、環境の変化を無視し順応しないで失敗してしまうのは本当に勿体ない話しです。

当社経験では、このステップでの「いかにやり抜くか」という気持ちで試行錯誤、創意工夫を真剣に繰り返すことが、新規事業を実現化させる為に最重要であると考えています。

弊社の関わるプロジェクトでも、入念なユーザー調査を経て、新サービスを提供したものの、蓋を開けてみると、想定と全く違うポイントがユーザーに高く評価されたりします。また、競合や代替がいない、あるいは優れていると考えていたが、サービス開始後すぐに他社からより良いサービスがでてくる、といった企画時に想定していなかった事象が起きたりもします。

こうした想定外の困難に直面した時には簡単に諦めず、創意工夫しながら出口を探し続けることが重要です。「実際に何度も挑戦し、いかにやり抜くか」これこそが新規事業を成功させる唯一の秘訣であるかもしれません。

他社の新規事業プレスリリース等を見て、「あー、これウチでも考えていたよね」という会話をよく聞きますが、企画だけとりあげてあたかも同じ事業を立上げたかのように考えることはあまり意味がないどころか、いつでも新しい事業を作り出せると錯覚してしまうのでよろしくありません。

当たり前のことですか、実現しない限り利益は生み出されません。それでは意味がありません。我々コンサルティング業を行う者は特に強く自戒しないといけないのですが、絵に描いた餅では意味がないのです。

最後に、 新規事業立ち上げと類似する概念として、イノベーションや、デザイン思考などがあり、よく混同してその概念が利用されています

イノベーションや、デザイン思考は、あくまで新規事業「企画の手法」であり、新規事業立ち上げのプロセスで言うと「ほんの入り口」でしかないと捉えています。

新規事業の企画はとても重要です。しかし、繰り返しになってしまいますが、企画だけでは事業としての良し悪しはとても判断できません。よい企画と、泥臭い実行は、新規事業にとって両輪でありバランスを欠いては前に進めません

よく、調査や企画に大きなリソースを投入してしまい、その後の実験・実行プロセスにおいてリソースが不足してしまうケースが多く見られます。これも、既存事業のやり方を新規事業に当てはめて考えてしまい失敗するケースと言えるでしょう。

今後、新規事業開発という、企てる楽しさ、試行錯誤という泥臭い活動を伴う、しかし成功させた時の高い達成感を得られる、面白いく魅力的な仕事のやり方、コツについて、15年以上新規事業の支援だけをやり続けてきた我々の経験をもとに、少しずつお話していきたいと思います。

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