新規事業担当者が取り組むべき競合分析とは?

2019.12.31

なぜタクシー業界はUberへの対処が遅れたのか?

 多くの企業が競合分析に熱心に取り組んでいるにもかかわらず、なぜ掲題の問いのような事態が起こるのでしょうか?
 その答えは潜在・将来の相手も含めた競合分析を徹底できていなかったからではないかと考えます。GAFAをはじめ多くのテクノロジー企業が業界の垣根を越えて新規参入してくる状況では、新たなビジネスモデルを持った潜在競合も大きな脅威になりえます。第二、第三のUberに寝首をかかれないためには、既存事業・新規事業を問わず顕在競合と潜在競合の両方を分析することが必要です。

4つの競合分析における注意点

 競合分析の方針を、分析対象の事業が既存か新規か、競合が顕在か潜在か、という2軸で分けたものが次の図です。それぞれの領域において、異なる注意点が存在します。

① 既存事業の顕在競合
 ・技術部門は顕在競合を認知できていない場合があるため、意識的に認知を共有することが必要です。
 ・顧客もこの領域の競合しか認知できていないため、顧客から聞けている相手が競合の全てだと考えると、潜在競合に足元をすくわれるリスクが生まれます。
② 新規事業の顕在競合
 ・安易に相手の取り組みを否定せずに、既存事業の競合における新規事業は分析しなければなりません。
 ・代替品を視野に入れながら顧客のボトルネックを把握しないと、真の競合である代替品を見落とすリスクが高いです。
 ・参入候補市場の競争ポイントが何なのかを把握しておくと、自社技術のブレイクスルーが起きた際に参入できる市場を見極めることができます。
③ 既存事業の潜在競合
 ・そもそも顧客も存在を認知していないことを認識する必要があります。
 ・国内外のスタートアップを注視しつつ、いわゆるイノベーションのジレンマを起こしそうな企業がないかをチェックすべきです。
 ・GAFAなどを例に取り、「他業界からテクノロジー企業が参入したらどうなるか?」を仮想しておくことが重要です。
④ 新規事業の潜在競合
 ・間接競合・代替品にあたる製品・サービス・技術を注視すべきです。
 ・多くの場合事業化を阻むボトルネックが存在しているため、どんなブレイクスルーが必要なのかを見極めておきましょう。

 企業として全ての領域をバランスよく分析すると同時に、特に新規事業担当者が領域②・③・④の分析を徹底することが肝要です。

潜在競合の事業こそ新規事業として検討すべき

 前述の徹底した競合分析を行うことで、将来の脅威となる相手を見極めると同時に、自社の新規事業アイデアを探索することができます。
 特に新規事業担当者にとって、潜在競合の分析は高い検討価値を有します。取り組める新規事業であれば将来の脅威となる相手を抑え込む効果も見込め、抑え込めなくとも提携・M&Aなどの選択肢があるからです。将来のUberも、早期にしたたかに分析しておけば、敵として芽を摘み取る選択肢も、逆に味方にしてしまう選択肢も取れるのです。
 当社でも近年潜在競合の調査を行いつつ、新規事業を探索していくようなプロジェクトの実績が増えてきています。皆様も改めて徹底的に競合分析をされてみてはいかがでしょうか?

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