技術経営(MOT)

2006.12.12

本ブログでは、昨今その重要性が増しているMOT-技術経営分野について、研究段階から儲かる事業にまで育て上げる過程を、筆者が技術者・製品設計者・コンサルタントとして実際に現場に関わった経験から述べていきます。

特許や技術の現状

現在、日本企業が生み出す特許や技術は、うまく市場と結び付けられているのでしょうか?

残念ながらまだ十分うまくいっているとは言えません。

例えば、薄型テレビ、青色LEDなどのように、予め何らかの製品イメージを想定されて研究が行われた技術は製品化も早いでしょう。しかし、すべての技術がそうである訳ではありません。研究開発の大部分は製品イメージが無いままに進めているのが現状であり、そこから生み出される結果の大部分は、製品化に結び付けられず捨てられたり、特許出願することで満足してしまっている状況です。

技術者もしくはそれに近い製品開発者が考えるべきこと

日本企業の研究開発に費やす割合は世界一という統計もありますが、それによって結果(製品・事業)を生み出すことができなければ、あまりに非効率でしょう。

ただし、すべての企業活動がマーケットから導き出されるべきなどと言うつもりもありません。実際のところ真のパラダイムシフトは常に技術から生み出されます。これはともすればユーザーニーズが無批判に受け入れられている現状を考えれば、留意したい点です。

技術を製品化する場合、マーケットの声を聞いても無駄に終わる場合が多々あります。

それはなぜでしょうか? それは、マーケットやユーザーには、その技術によって新しく何ができるようになるのか提案をうけてはじめて顕在化するニーズがあるためです。

一般的にユーザーは既存の行動の延長で物事を考えます。例えば、携帯音楽プレイヤーで考えてみると、カセットテープウォークマンの時代にユーザは何を望んでいたでしょうか?ユーザーは、より軽い機器、キレイな音、CD1枚が入るテープの長さを望んでいただけです。アンケートを行っても「ネットからダウンロードしたい」とか「1,000曲以上持ち歩きたい」などの答えはまったく出てきませんでした。

これらの「ネットからダウンロードできるようにする」とか「1,000曲以上持ち歩けるようにする」という進化は、技術者もしくはそれに近い製品開発者が考えなければならないことなのです。

ここに研究成果を製品に作り上げていくことの難しさがあり、それらを結びつける何かが必要であると考えます。

次回は、筆者が手がけた実際のプロジェクトからこの技術とマーケットやユーザを結び付けていくスキームについて述べていきたいと思います。

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