介護事業者向けEdTech開始—2016年3月新規事業トレンドレポート

2016.04.20

2016年3月度 業界別新規事業件数

新規事業の動向を月次でお届けするレポート。2016年3月、PR TIMESを中心に新規事業関連をリリースした企業を業界別に分けたものが以下の表になります。

2016年3月 新規事業

IT・情報通信が過半を占めており、次いで生活・サービスと続きます。
1位 IT・情報通信 50%
2位 生活・サービス 32%
3位 電気・精密 6%
3位 マスコミ・エンタメ・レジャー 6%
3位 流通・小売・運輸 6%

新規事業 トレンド IT

IT・情報通信の内訳を見ると、eコマース37%、IT情報サービス25%、SNS、通信サービス、ポータル検索エンジン 12.5%の順番でリリースが多く見受けられました。

介護業界の課題解決なるか — 主な業界動向

今回は生活・サービス分野から、介護業界でのオンライン教育サービスについての記事をご紹介します。
株式会社オーボックスは2016年3月1日より、介護事業者向けに国や公共団体からの助成金と組み合わせて活用できる研修コンテンツを揃えたオンライン研修サービス「マナビタ!」を開始すると発表しました。

マナビタ!は介護事業者を対象とした、介護施設での現場経験・研修経験豊富なプロフェッショナル講師が実施する講義をオンラインで受講できる介護業界初のサービスです。研修講義数は2016年3月時点で既に230以上準備されており、2016年以内に500以上の講義数をラインアップすることが予定されています。

マナビタ!の1つ目の特徴は、オンラインでの学習のため時間や場所に囚われることなく職員への研修を支援できる点にあります。これにより、直行・直帰のヘルパーの方や、夜勤などシフトがバラバラで決まった時間に研修を受けることが難しかった職員の方もスキルアップに取り組むことができるようになります。研修に使う資料もオンラインで入手できるので、介護事業者は研修のプログラム作成や資料作成等にかかる膨大な時間を削減することも可能になります。

もう1つの大きな特徴は、マナビタ!の研修講義を自社内研修で活用することにより、助成金による研修費用の全額補填が可能になる点です。企業によっては研修に活用した費用以上、助成金が獲得できる可能性もあるようです。一方、助成金獲得には煩雑な申請書類が必要なためか、中小規模の介護事業者の利用件数は低く推移しているのが現状です。それに対しマナビタ!は、利用事業者に助成金申請を代行するサービスを展開しているのも大きな特徴といえます。

介護産業は市場規模の推移だけ見れば純粋な成長産業です。避けられない少子高齢化は去ることながら、みずほコーポレート銀行の資料によれば、2015年の9.8兆円から2025年には15.2兆円と、約1.5倍の規模に成長すると見込まれています。ただ、介護業界に何も課題がない訳ではありません。賃金への不満、離職率の高さなど課題は山積みです。介護労働安定センターが「介護サービスを運営するうえでの問題点」を調査したところによると、1位は「良質な人材の確保が難しい」であり、5位に「教育・研修の時間が十分に取れない」がランクインしています。マナビタ!はこうした介護業界の課題を解消し得るサービスとして期待が持てます。

「順調に拡大する市場」という側面だけでなく、「それを支える人材の確保・定着」の難しさへも目を向け対策していくことで、介護業界の活性化につながっていくものと思われます。

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