楽天、金融関連サービス強化

2008.08.18

楽天株式会社の資本投資に関する発表

楽天株式会社は、TBS問題(05年末)以降資本提携関連の数は少なくなっているが、07年フュージョン・コミュニケーションズの子会社化以降、

  • 楽天市場周辺事業
  • 広告関連事業(含む、メディア)

への資本取引が目についてきた。

08年8月に入ってから、金融関連で次の2件が発表された。

楽天、イーバン銀行との資本・業務提携、基本合意 (08.08.04)

目的:

  • 「楽天市場」事業強化 (決済サービス強化)
  • 相互顧客紹介
  • 新金融サービス開発

資本取引:

  • 取引形態:資本業務提携(第3者割当増資引受)
  • 取引内容:今後詳細検討
  • 発行株式:優先株式
  • 出資比率:想定30%程度 (筆頭株主予定)
  • 出資金額:想定約200億円

楽天株式会社プレスリリースより記載。)

楽天、アイリオ生命保険と資本業務提携(08.08.15)

目的:

  • 独自生命保険の開発
  • 楽天会員への生命保険商品の販売

資本取引:

  • 形態:第三者割当増資引受
  • 種類:普通株式
  • 出資金額:約20億円
  • 出資比率:14.9% *本ラウンドにて、ジャフコ、NIF、みずほキャピタルも引受

(アイリオ生命保険プレスリリースより記載。)

背景

同社は、06年1月東京都民銀行とネット銀行設立に向けた検討を行っていたが、現在は棚上げになっている、とのこと。一方、イーバンク銀行は、サブプライム問題により234億円最終赤字を抱え、財務体質強化が急務であった。
また生命保険に関しては、現在楽天市場内にて、生命保険は代理店として販売しているが、更に商品開発等の機能拡張を視野に入れると想定。(垂直統合)そんな背景からの提携と想定される。

楽天株式会社の記者会見では、ネット銀行実現に向けたものではなく、あくまで「原点回帰」=楽天市場事業の強化、とされていたが、楽天会員4,630万人に対して、銀行も含めた多様な金融商品(TBS問題前までに、証券、信販と金融サービスを拡充させてきた)を提供するスキームの実現を視野に入れている可能性はあると想定される。

今後

証券、信託、銀行、保険と、楽天市場で培った顧客会員基盤を活用して、ネット上の決済、更にはそのお財布から他(リアル)の消費・支払でもお金が落ちる仕組みが実現されていくかもしれない。JR東日本、セブンイレブン、顧客基盤、「財布」を握る企業達は次々に、「金融」サービスを拡張させ、その顧客基盤の強みを活かし、新たな収益多角化を遂行している。ネット会員を4,600万人以上抱える楽天が金融会社を有していくのは、当たり前の戦略といえるかもしれない。

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