新規事業におけるニーズのつかみ方

2009.03.31

現場で良く耳にする言葉

「当初はニーズがあると思っていたが、実際にやってみたら引き合いが来なかった」
「ニーズはあるはずなんだけど、確証が持てない」

新規事業の現場では、よくそのような声が聞かれます。
新規事業を立ち上げていくにあたって、対象商品のニーズの有無やその度合いは、当然知っておかなくてはならない事の一つです。

なぜ、このような声が多く聞かれるのでしょうか。
wii やipodなど、ここ数年で話題になった商品は他社製品と比較すると、明らかにその楽しみ方やデザイン性、機能性において、魅力的な付加価値があるように思えます。

売れなくなる原因

どの企業も事業を立ち上げようとするときは、当然出来る範囲で調査をし、自分なりに商品のニーズに確信を持って始めているはずです。それなのに、事業を開始してから売れなくなるというのは、どこに原因があるのでしょうか。

筆者のこれまでの経験で思うことは、ヒアリング調査に原因があると考えます。商品が売れるかどうかを、どこまで幅広く、どこまで突っ込んでヒアリングするのかを判断する事は非常に難しい事です。

用途検索の調査が重要

以前、私たちはある「導電性の素材」に関して用途探索の調査をしました。他にない特徴的なメリットを有していたため、担当の技術者の方は、実用化のアイデアをいくつか持っていました。しかし、結果的にもっとも有望な事業というのは、これらとは異なる分野で、ニッチであるにも関わらず、ほぼ競合がいない、数十億円の市場が生み出せることが分かったのです。

私たちは技術の価値軸と、各産業の分野ごとの軸で、用途を20個ほどの仮説に分け、その対象に調査を行いました。実際に調査を1/3くらい進めると、何となくユーザーの反応が分かってきます。当初は、思っていたよりユーザーの反応が悪かったため、有望な分野を見つけるのは難しいかと思われたのですが、あきらめずに当たってみると、意外に否定的だったユーザーと同じ分野のユーザーから良好な反応を引き出す事が出来ました。

新市場を探索するポイントその一

新市場を探索するために重要なことは、「用途の仮説は、思いつきでなく、ある程度価値と分野を網羅的に洗い、優先順位が低い用途を省かないようにする。」ということだと思います。
実際の現場では、想定していないメリットやデメリットの考え方が存在するため、検証してみて始めて分かる事が多いのです。

新市場を探索するポイントその二

二つめは、「ヒアリングの相手は、実際のターゲットに当てて反応を聞く」という事です。同じような人に話を聞いても異なる反応が返ってくる事がよくあり、その際は、ターゲットになる本人に話しを聞いて始めてニーズ感が分かってきます。
ヒアリングの相手を見つけ出す事は難しい事だと思います。いきなりターゲットになりそうな企業に電話をかけても取り合ってもらえません。しかし、例えば、ネットや研究論文から第一人者を探し、そういう方に直に連絡を取ってみたりすると、以外に話をしてくれる親切な方がいたりします。相手にとってメリットがある提案であれば、やり方次第で、ヒアリングをすることは可能だと思います。

ニーズに合わせた仮設・検証のサイクル

新規事業の立ち上げは、ほんとにニーズに合った商品に仕上げていくための仮説・検証のサイクルを根気強く回していくことが非常に重要になります。だからこそ、新規事業の立ち上げは難しくもあり、また、そこで突き詰めた結果生まれる新しい商品だからこそ、価値のあるものになるのだと思います。

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