新規事業とプライマリーコミュニケーション(1)

2007.01.28

新規事業とプライマリーコミュニケーション

新規事業、新サービスを立ち上げる際に内部の方々は事業性や営業先、パートナー、社内の人員配分など経営リソースに関する検討は十分になされることでしょう。特にベンチャー企業の場合、もともと少ない社員数でやっていることが多く、事業を回して行くだけで社員の稼動は満杯である、というのが現実だと思います。

しかし、新規事業を進める際で忘れてはいけない経営の視点が残されていると我々は考えます。それは「コミュニケーション」です。一重にコミュニケーションと言っても範囲が広すぎますが、ここでは便宜上「社外」と「社内」に分けて考えましょう。

プライマルブログ、コミュニケーションカテゴリ第1回目の今回は「新規事業における社外コミュニケーションの必要性」からお話を始めたいと思います。

伝える努力の必要性

どんなに素晴らしい事業やサービス、商品を生み出したとしても、営業担当者が売って歩くのには限界があります。創業間もないベンチャー企業では営業の方の人数も少ないでしょうから、おのずと限界は訪れます。ネットが進化した現代では、ウェブサイトを構築して宣伝を行うかもしれません。

しかしながら星の数ほどあるサイトの中で貴方のサービスを欲しがっている人が見事に見つけてくれる確率はいかほどでしょうか?

こんな時こそ、綿密にコミュニケーションを設計し、効率的に情報を適切な人へ伝えて行く努力が必要となります。サービスが認知され、潜在的なマインドシェアが上がった状態ではサイトや口コミの効果が出現するとは思いますが、基礎認知を獲得出来ていない状態では検索対象にも、人々の話題にもなりません。

立ち上がったばかりの新規事業だからこそより大きな力からの支援を獲得するように社外コミュニケーションの努力を行うべきだと我々は考えます。

今日現在では「より大きな力」=「マスコミ」になってしまいますが、初期のマインドシェアや、適切なステークホルダーへの情報到達にはまだまだ効率的です。

このことをご紹介すると、「じゃぁリリースを書いて、メディアに送ればいいんでしょ?」と考える方もいらっしゃると思います。しかしながら彼らに届く情報は日々膨大であり、その多くは開封もされず処理されてしまうことが多いのです。

ましてや、関連のないセクションに送りつけられたリリースは、メディア担当者の心象を害し、二度とその企業の封筒には関心を持ってもらえない事態も起こりうるのです。(そんな横柄な、と思われるでしょうが、一部まだそういう風土も残っていますし、それ位彼らが受け取る情報が膨大だという事です。)

そんな彼らに情報(ニュースリリース)を開封させ、関心を持たせるメッセージデリバリーの設計こそ新規事業立上げの際には是非検討してもらいたい一つの重要な戦略要素なのです。立上げ初期に築いたメディアとの良好な関係は、必ずや事業を大きくしてゆく中で貴方の会社の強い味方となってくれるでしょう。

ビジネスの集客と同様に、コミュニケーションでも集客を

自社のサービスや商品の特徴、新規性、ユーザーに対するメリットを簡潔かつ強いインパクトを持った形で資料化し、出来る限り印象に残る形で届ける。これだけのことを検討をする時間を新規事業スタートの際に追加すれば、その後の広報活動に大きく違いが出てくるに違いありません。

例えば、ECサイトでは集客が一番の関心事になるのはご存知かと思いますが、新規事業の場合も自社の商材への知的関心という「集客」をより強い関心事にしていただきたいのです。

しかしながら現実には、「自社スタッフに経験がない、少ない」というお悩みもあるかと思います。確かに多くの企業が広報や宣伝広告に関し、外部のコンサルタントを利用していることも事実です。

しかし、まずはこの課題に関し、自社で一旦検討したという経験があるのとないのとでは、外部を利用した際の効果も変わって来ます。特に立ち上げ期は多くのメディア関係者や消費者との接点をより多く持った経験が、後の競合企業に対する強い競争力となって帰ってくるはずです。それでも、という方のために、数回後の記事では、外部コンサルタントなどについてもご紹介致しますので、ご安心下さい。

事業の成長を大きく支えるリードファクターとして、外部からの関心は切っても切れない関係にりますよね。そして、それを獲得する技術がプライマリーコミュニケーションなのです。

次回は、プライマリーコミュニケーションの考え方と具体的な実施例などについてお話したいと思います。

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