新規事業とプライマリーコミュニケーション(3)

2007.01.31

メディアへのリリースの送付の仕方

さて、渾身の力を振り絞って作成したニュースリリースをメディアへ送付する時が来ました。しかし、ここでこの単純な「送付」が独立した項目となっていることに疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。

だって、「普通に封筒に入れて郵送すればいいでしょ?」 とか、
「メールアドレスにポンッっと送ればそれでOKじゃないの?」 とか。

確かに行為だけを見ればそうなのですが、ここにもそれなりに工夫やノウハウがあったりします。特に新規事業を始める皆さんはあまり記者の方や媒体社との関係性がないハズですし、仮に前職で関係があったとしても送られる情報は「新しい会社」や「新しいサービス名称」だったりします。つまり記者にとっては未知との遭遇に近い状況なのです。

それに新しい事業に関係する記者をお知りだとしてもそれは一部であり、それ以外の記者や媒体社へは飛び込み営業になるハズです。それなりに工夫しないと効果が出るはずがありません。ここではその工夫に関し、ほんの少しご紹介したいと思います。

まず郵送にしても、メールでも(さすがにFAXで送る方はいないと思います…仮に考えていたら止めて下さいね。)とても大きな問題がひとつあります。それは「記者は送られてくる先(あなたの企業)を知らない」ということです。見慣れた企業からだったらとりあえず第一段階の振るいは通過するでしょうが、見ず知らずの企業の場合は。

そこで考えられる工夫には大きくは三つあります。

  1. とにかく目立つ装丁で届くようにする
  2. 内容の特性が一目で理解できるようにする
  3. ちょっとだけ権威の力を借りてみる

なんだか当たり前の様な、効果があるかわからない様な…ですが、ちゃんと意味があるんです。ひとつづつ説明させていただきます。

1.「目立つ装丁」を活用する

まず第一の「目立つ装丁」ですが、これは意味を穿き違えると自爆につながります。とにかく目立つために「蛍光色」や「極彩色の柄物」などの封筒で送ったり、「妙に分厚い箱や入れ物」で送りつける場合がこれにあたります。まぁさすがに分別ある新規事業主である皆さんがこれをするとは思いませんが念のため。

目立つ装丁というのはリリースにも繋がりますが、封筒にメッセージを入れます。企業のロゴを大きめにあしらったデザインにするのも良いでしょうし、サービスのキャッチフレーズを大きく刷り込むのも良いでしょう(ただ中身を書いてしまうと、開く前に思わぬところで情報が漏洩しますのでご用心)。

似たような封筒が多く届く編集部において少しでも定型を崩せば多少なりとも目立つものですし、中身を開けたくなるコピーのひとつでもあればより確度は高まるかと思います。

◆某メーカーの実施例

余談ですが、上記のタブーとして記載した「妙に分厚い入れ物」という手法を使った事例での成功例も実はあります。デジカメが市場で賑わい始めた頃に某メーカーが実施した例です。

ある日編集に大きな箱が届きました。箱の外にはそのデジカメのブランドロゴがでかでかと印刷されています。
中を開けてみるとデジカメと、秘密保持のお願いと記者発表会への招待状が入っているという仕掛けです。記者発表当日にはその日発表のデジカメを持った記者が詰めかけ、製品で一色になった会場は大変賑わった…という例もあるのですが、あくまでこれはご参考の事例です。

2.「何のリリースかが一目でわかるように!」

第二の「とにかく内容の特性が一目でわかるようにする」ですが、これは聞けば当たり前!と思われるでしょうし、実際多くの企業がこの手法を採用しています。それは、封筒の外部に内容を区分けを記載する手法です。

例えば、今回の場合は「新規事業立上げのお知らせ」であったり、「新サービス/新市場参入のお知らせ」となるでしょう。その他には「記者発表会のお知らせ」だったり、「プレゼントのお知らせ」「経営に関する重要事項のお知らせ」など各社工夫を凝らしつつ、出来る限り記者にとって有益な情報が中に含まれていると意識させる書き方をします。

このメリットは、開ける前に記者が「あ、新規事業か…参考までに読むから一旦横に保管しよう」など、直接廃棄リリース箱や、検討保留の箱に投げられてしまうのを防ぐことが出来ます。

更にこの手法は記者がいちいち開けて内容を確認し整理をする手間を省くものですので、記者にとってはありがたいものであり、そういうちょっとした工夫をしている企業に対しての印象が良くなることはあっても悪くなることはありません。その点からも是非実施していただきたい工夫の一つです。

3.「権威の力を上手く利用する」

第三の工夫「ちょっとだけ権威の力を借りてみる」ですが、これは知名度のないあなたの会社から発信されたリリースでは、記者にとってあまり神通力がない、と不安な場合により安心感を強めることが出来る手法かもしれません。この不安は、逆を返せば「知っている人、企業からの情報はより閲覧される可能性が高い」ということであり、この傾向を逆手にとってあなたの新規事業を売り込めばよいのです。

つまりは、メジャーな企業からリリースを媒体社へ届けて貰う

ということです。そんなアホな、とお思いでしょうが、結構簡単な話で、既にそういうサービスが世の中にあるのです。その便利なサービスの名前は「共同通信PRワイヤー」と言います。

これは、共同通信社の100%出資会社であるKK共同に国内最大のPR会社である電通パブリックリレーションズが協力し設立したサービスで、このサービスを利用した企業のリリースが全て「共同通信PRワイヤー」名義で媒体社に届けられます。これだけでも信用の担保には十分なのですが、このサービスは更にパーミッション(許諾)を取った記者にのみ届けられるサービスなので届けられる記者としても「スパムメール」の様な印象を持つことがなく、必要な情報として閲覧してくれるのです。

この送付先は組み合わせる記者の分野(配信パッケージ)により異なりますが、登録全体では国内約1,300媒体、海外約35,000媒体にも及ぶものであり、事業立上げ初期でメディアとの関係性の薄い企業にとっては非常に有用なサービスとなっています。

サービスの紹介

また、この様な権威を活用した一斉同報を必要としていなく、とにかく一斉に自分達が作ったメディアリストに対し送付を行いたい場合は、以下の様なサービスも役に立ちます。

これらのテクニックを活用すれば、新規事業第一弾となるリリースが努力の果てに無駄になる、ということの確立をぐっと下げることが出来ます。もちろんプライマルでもプライマリーコミュニケーションに関するこの様なプレスリリースなどのご相談もお受けできます。このブログでは書ききれないケースバイケースのノウハウもありますので、お気軽にご相談下さい。

次回は、このニュースリリース送付に伴って新規事業立上げ時に必要なプレスコンタクト用のビジネスアプリケーションについてお話したいと思います。

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