1箱から可・書籍保管取出し—2016年1月新規事業トレンドレポート
新規事業の動向を月次でお届けするレポート。
2016年1月、PR TIMESを中心に新規事業関連をリリースした企業を業界別に分けたものが以下の表になります。
IT・情報通信関連が約6割、続いて生活・サービスが約2割となっています。
IT・情報通信の内訳を見ると、通信サービス関連のニュースリリースが9割を占める結果となりました。
大切な書籍の保管と取り出しが可能に―「risoco books」と「BookWeb Pro」連携
今回は運輸・小売・流通業界から、宅配型収納サービスに関わる記事をご紹介します。
1月7日、阪神電気鉄道株式会社が運営する宅配型収納サービス「利創庫(risoco)」と紀伊國屋書店が運営する、研究者や大学教員、官公庁等プロ仕様の書籍オンラインストア「BookWeb Pro」が提携しました。
阪神電気鉄道株式会社では、鉄道事業や、不動産事業、スポーツ・レジャー事業で得たノウハウを活かし、数々の新規事業を展開しています。その一環として2015年5月スタートしたのが宅配便を活用した荷物預かりサービス「利創庫(risoko)」。
宅配便で届いた専用ボックス(段ボール)に衣類や雑貨、書籍等の荷物を封入・送付すると倉庫で保管してくれるというもの。段ボール1箱から利用でき、佐川急便の飛脚宅配便に対応しているエリアであれば、全国どこでも受け付けています。書籍専用「risoco books」も提供しており、書庫係員が預け入れ
た書籍1冊ずつ書名、著者名、出版社情報を登録することでMY Page内で書籍情報が確認でき、1冊単位で取り出すこともできます。オプションで、専用のビニールで本を覆うシュリンクサービスも展開。
紀伊國屋書店の「BookWeb Pro」は世界最大規模となる和書やアメリカ・イギリス・ドイツ・フランス各国の洋書、団体向け映像商品等1,000万冊を超える書籍データベースを取り扱っています。洋古書も1億冊あることから、統合検索や論理検索、検索条件の登録等高度な検索機能が充実。重複購入防止やクレジットカード決済も使える公費請求にも対応しています。
大学教員や研究者はかかえている書籍の点数の多さもさることなら絶版等貴重なものも所有しているため、保管場所が課題のひとつ。今回の提携により大幅に解消されるものと見られています。
現時点では保管と取り出しに特化していますが、もう一歩踏み込み、不要なものはオークションに出品したり、中古書店に売り払ったりといった連携まで進むことを期待したいものです。