人工知能でベンチャー検索ー2016年2月新規事業トレンドレポート
新規事業の動向を月次でお届けするレポート。2016年2月、PR TIMESを中心に新規事業関連をリリースした企業を業界別に分けたものが以下の表になります。
IT・情報通信と生活・サービスで90%近く占めました。
1位 IT・情報通信 約46%
2位 生活・サービス 約43%
3位 マスコミ・エンタメ・レジャー 約8%
リリース数が最も多かったIT・情報通信分野の内訳を見ると、IT情報サービス企業が89%でした。
1位 IT情報サービス 約89%
2位 ソフトウェア 約7%
3位 通信サービス 約4%
アントレペディア、日本のスタートアップ企業9000社をカオスマップ化、と連想キーワード
今回は、全体の割合でも多くを占めていたIT・情報通信業界の中のIT情報サービスの分野から特に気になったものをご紹介します。
2月23日、株式会社ジャパンベンチャーリサーチ(以下、JVR)は、自社が運営する投資家とベンチャーのコミュニティサービスサイト「アントレペディア」において、日本のスタートアップにあたる企業9000社をFinTechやHealthtech等32の領域に分類し可視化した「ベンチャーマップ(β版)」を公開しました。革新的技術やユニークなサービスを持つベンチャーがいてもなかなか発掘まで至らず、ベンチャー自身も協業先開拓に苦労するといった現実をふまえ、経済産業省による平成27年度ベンチャー創造支援事業の一環としてJVRが受託したものとなります。
ベンチャー企業のマッピングには、人工知能の「概念」をもとにした独自のシステムを採用。“システムが事業領域の構造を自ら学習し作成する体系的な構造により、ベンチャー企業の適合や企業を見いだす支援機能を実現しマッピング”とリリースで触れているように、検索エンジンやWikipedia、企業のウェブサイト等からテキストを収集しデータベースと突合させ、システムが徐々に学習することで常に最新情報を保持できるといいます。
さらにJVRは「連想検索」も同日公開。株式会社富士通総研が2014年12月に行った「お勤め先での新規事業の開発・検討に関する調査」によると、「社内のリソースで新規事業に十分に取り組めるか」に対し、7割が「あまり思わない・全くそう思わない」と答えていたように、近年、大手企業とベンチャー企業とのオープンイノベーションやコラボレーション、アクセラレートプログラム等活発化しています。その一方で、数多のスタートアップやベンチャー企業からWin-Winの関係を築ける企業を探すのは極めて困難。
「もっと効率よく、スピーディーに探したい」といった要望を受けてできた「連想検索」は、ベンチャー企業毎に「クラスタ」といわれるジャンルや連想キーワードを2階層まで付与。たとえば「FinTech」で検索すると該当する企業が表示され、2階層分のキーワードも併せて表示。関連度合いも色の強弱で示されます。
データの入手や絞込み、比較等ビッグデータに人工知能を加えて可視化するサービス展開が活発化していきそうです。